底が平たく安定感のある幅広な龍泉青磁弟窯粉青の蓋碗です。
色彩が美しい世界遺産・龍泉青磁
龍泉の青磁は今から1500年ほど前の南北朝時代に始まると言われ、中国陶磁器史上もっとも長く焼かれ規模としても最大級の生産地でした。伝説になりますが、宋の時代には章という姓の名高い陶匠の兄弟がおり、優れた作品を生み出しました。哥(兄)窯は宋代の五大窯に数えられる名窯で、釉薬に網の目状に入った亀裂が特徴。弟窯は玉のように透き通る純粋な色で知られています。青磁の里として発展を遂げますが、明代には青花磁器の隆盛と、倭寇などの影響から海外貿易が厳しく制限されたため生産量が減少、質も以前の輝きを失いました。
時が流れて1957年、周恩来総理の指示により、8名の専門家からなる復古グループにより新たな火がともり、現在では新たな発展の時代を迎えています。2009年には「龍泉青磁の伝統工芸技術」が無形文化遺産として世界遺産に登録されました。
薄いブルーが美しい弟窯粉青
龍泉の青磁には様々な色がありますが、こちらは代表的な粉青という薄いブルーが美しい弟窯にならったものです。もともとの胎は白色で釉薬の薄いところは白に濃いところは水色になり微妙なグラデーションが生み出されています。薄さを良しとする磁器とは違い、厚くしっかりした重みがあります。
底面が平たくどっしりした蓋碗
こちらは、底面が平たく背が低め、どっしり安定した感のある蓋碗です。容量は120mlほどですが、龍泉青磁は他の素材の蓋碗に比べると厚手のため、一層、ずっしりとした感じがあります。
※サイズや重さのほか、焼成時の温度や気候により色味に個体差があります。
「定番を超える定番」を生み出すこと、
それが2022年秋冬のテーマです。
未来に向けて帽子づくりを見つめ直します。